“沖縄集団自決”62年目の証言/NHKクローズアップ現代から
2007.06.21 Thursday
明後日、23日に62回目の“慰霊の日”を迎える沖縄・摩文仁の丘から「NHKクローズアップ現代」が「沖縄県史」編集委員・ 大城将保さんを迎えて、あらためて集団自決の実相を解き明かすという構成での番組が放映されました。(6月21日)
先のエントリー(こちら)でこの春、高校の日本史の教科書検定で集団自決をめぐる記述から「日本軍の強制」に関わる言葉が削除されたことへの沖縄県民の怒りが渦巻いていることを記述してきましたが、今日の「NHKクローズアップ現代」では、集団自決の現場に立ち会い、かろうじて生き延びてきた古老の方々からの聞き取り調査の現場を織り込みながら、集団自決をめぐる実相というものを明らかにしてくれるものでした。
ヤマトンチュウの一人として姿勢を正さずしては視ることの出来ない心痛むものでした。
これら体験者の沖縄県民は70代も後半から80代に掛けてのおじい、おばぁ、の方々ですので、今という時間を活かすことでなければ沖縄戦の実相というものは語られざる歴史の1断片として封印されてしまいかねません。
番組の中でも語られていましたが、この生き残った方々も、肩を寄せ合って戦禍を逃れた壕の中、自決を迫られるという過酷な状況の下で兄弟姉妹から親、そして近隣の住民を亡くしながらも、様々な条件が重なり自身が生き残ってしまったという、ある種の負い目から、例え身内の関係であっても、こうした実相を話すことは無かったということがあったのでしょう。
そうした人々の重い口を良いことに、藤岡信勝(自由主義史観研究会)など歴史修正主義の輩の手によって、あるいはこうした史実を葬り去ることを自身の立脚点とする“戦後レジームからの脱却=美しい日本”安倍政権の教科書検定での策謀であったのでしょう。
しかしこれらのおじい、おばぁも残り少ない命に代えて、ぽつりぽつりと、決して忘れはしない集団自決の現場を語り始めているのです。
番組では
こうした様々な沖縄戦の過酷な実態というものは沖縄県民にとっては共通の了解事項であり、拠って立つ基盤であったのでしょうから、先のエントリで上げたような沖縄県民の怒りとして結集されのは必然であったのでしょう。
また番組では「軍の強制はなかった」という新検定基準の根拠となった文献『沖縄戦と民衆』の著者、歴史家・林博史氏がインタビューに応じ、「この本のどこをどう読めば軍の強制がなかったという検定意見が出るのか、全く理解が出来ない」と重要な証言があり、これにはびっくり。
この文献での結論は自決というものが“日本軍の強制と誘導によって”行われたということを結論づけているというのです。著者の怒りも当然です。
つまり文脈を無視して、都合の良い断片的な部分だけを引用する形で強制はなかった根拠にしているのですね。
これが一国の検定教科書の根幹を為す、文科省役人たちの姿なのです。歴史の前に誠実に臨むのではなく、そうした姿勢とはかけ離れた実に政治的、思想的なバイアスを掛けた検定意見を出すのですね。
これまで一貫して教科書に記述されてきた重要な史実をあえて曲げて歴史の奥底に封印させようという画策しているのです。
ゲストの 大城さんの言葉で印象的だったのは、「沖縄県民の悲しみと怒りというものは、県民の4人に1人が殺されたという沖縄戦の被害よりも、むしろ日本軍から裏切られたという記憶」という日本というものを鋭く突く言葉でした。
この沖縄戦をめぐる歴史への冒涜というものは、先に大きな問題になった「従軍慰安婦は軍の強制があったわけではない」という安倍晋三の姿勢と全く位相を同じくするものですね。
一昨日のエントリではこの従軍慰安婦問題の米下院外交委決議案が26日に採決されるのは不可避、ということを取り上げましたが、如何に教科書から歴史を無きものとしようとも、民衆は黙ってはいないでしょうし、語り続けられるものです。
安倍晋三の“戦後レジームからの脱却=美しい日本”などという戦後まるごとへのルサンチマンは個人の思想基盤であれば勝手におやりとも言えますが、1国の首相となれば、民衆は黙っているわけにはいかないでしょう。
これほどまでに愚弄されて黙っているという愚かな民衆が私たちであるとするならば、私たちには明日の未来は訪れないでしょう。
あらためて23日沖縄慰霊の日に死地に追いやったヤマトンチュウとして襟を正して頭を垂れることから始めたいと思います。
* 追記 07/06/22
安倍晋三首相は「慰霊の日」沖縄全戦没者追悼式に出席するそうです(首相の追悼式出席は、小泉純一郎前首相時代から4年連続)。
沖縄を米軍支配下に追いやった張本人が60年安保改定を強行した晋三氏のおじいさん岸首相であり、軍の島という現状を固定化したまま復帰させたのが晋三氏の叔父の佐藤栄作首相でしたが、どの面下げて沖縄県民の前に立つというのでしょう。
先のエントリー(こちら)でこの春、高校の日本史の教科書検定で集団自決をめぐる記述から「日本軍の強制」に関わる言葉が削除されたことへの沖縄県民の怒りが渦巻いていることを記述してきましたが、今日の「NHKクローズアップ現代」では、集団自決の現場に立ち会い、かろうじて生き延びてきた古老の方々からの聞き取り調査の現場を織り込みながら、集団自決をめぐる実相というものを明らかにしてくれるものでした。
ヤマトンチュウの一人として姿勢を正さずしては視ることの出来ない心痛むものでした。
これら体験者の沖縄県民は70代も後半から80代に掛けてのおじい、おばぁ、の方々ですので、今という時間を活かすことでなければ沖縄戦の実相というものは語られざる歴史の1断片として封印されてしまいかねません。
番組の中でも語られていましたが、この生き残った方々も、肩を寄せ合って戦禍を逃れた壕の中、自決を迫られるという過酷な状況の下で兄弟姉妹から親、そして近隣の住民を亡くしながらも、様々な条件が重なり自身が生き残ってしまったという、ある種の負い目から、例え身内の関係であっても、こうした実相を話すことは無かったということがあったのでしょう。
そうした人々の重い口を良いことに、藤岡信勝(自由主義史観研究会)など歴史修正主義の輩の手によって、あるいはこうした史実を葬り去ることを自身の立脚点とする“戦後レジームからの脱却=美しい日本”安倍政権の教科書検定での策謀であったのでしょう。
しかしこれらのおじい、おばぁも残り少ない命に代えて、ぽつりぽつりと、決して忘れはしない集団自決の現場を語り始めているのです。
番組では
- 自らの手で家族3人を殺めた古老の証言らが印象的でしたし、
- 5〜6人の一族を焼き殺した男性を見たという古老、
- 逃げまどっていた時にアメリカの捕虜になったらスパイとして扱われてひどい目に遭うからこれで死になさいと手榴弾を渡されたと証言するおばぁ、
- 日本兵から舌を噛んでも自決しろと言われ、母親から殺され掛けたというおばぁ、
(この親子は生き残ったが、戦後の日々2人でこの悲惨な事実を語り合うことは無かったという)
こうした様々な沖縄戦の過酷な実態というものは沖縄県民にとっては共通の了解事項であり、拠って立つ基盤であったのでしょうから、先のエントリで上げたような沖縄県民の怒りとして結集されのは必然であったのでしょう。
また番組では「軍の強制はなかった」という新検定基準の根拠となった文献『沖縄戦と民衆』の著者、歴史家・林博史氏がインタビューに応じ、「この本のどこをどう読めば軍の強制がなかったという検定意見が出るのか、全く理解が出来ない」と重要な証言があり、これにはびっくり。この文献での結論は自決というものが“日本軍の強制と誘導によって”行われたということを結論づけているというのです。著者の怒りも当然です。
つまり文脈を無視して、都合の良い断片的な部分だけを引用する形で強制はなかった根拠にしているのですね。
これが一国の検定教科書の根幹を為す、文科省役人たちの姿なのです。歴史の前に誠実に臨むのではなく、そうした姿勢とはかけ離れた実に政治的、思想的なバイアスを掛けた検定意見を出すのですね。
これまで一貫して教科書に記述されてきた重要な史実をあえて曲げて歴史の奥底に封印させようという画策しているのです。
ゲストの 大城さんの言葉で印象的だったのは、「沖縄県民の悲しみと怒りというものは、県民の4人に1人が殺されたという沖縄戦の被害よりも、むしろ日本軍から裏切られたという記憶」という日本というものを鋭く突く言葉でした。
この沖縄戦をめぐる歴史への冒涜というものは、先に大きな問題になった「従軍慰安婦は軍の強制があったわけではない」という安倍晋三の姿勢と全く位相を同じくするものですね。
一昨日のエントリではこの従軍慰安婦問題の米下院外交委決議案が26日に採決されるのは不可避、ということを取り上げましたが、如何に教科書から歴史を無きものとしようとも、民衆は黙ってはいないでしょうし、語り続けられるものです。
安倍晋三の“戦後レジームからの脱却=美しい日本”などという戦後まるごとへのルサンチマンは個人の思想基盤であれば勝手におやりとも言えますが、1国の首相となれば、民衆は黙っているわけにはいかないでしょう。
これほどまでに愚弄されて黙っているという愚かな民衆が私たちであるとするならば、私たちには明日の未来は訪れないでしょう。
あらためて23日沖縄慰霊の日に死地に追いやったヤマトンチュウとして襟を正して頭を垂れることから始めたいと思います。
* 追記 07/06/22
安倍晋三首相は「慰霊の日」沖縄全戦没者追悼式に出席するそうです(首相の追悼式出席は、小泉純一郎前首相時代から4年連続)。
沖縄を米軍支配下に追いやった張本人が60年安保改定を強行した晋三氏のおじいさん岸首相であり、軍の島という現状を固定化したまま復帰させたのが晋三氏の叔父の佐藤栄作首相でしたが、どの面下げて沖縄県民の前に立つというのでしょう。






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